2008年04月27日

「班猫」模写その3・絹にやっと墨描き、色塗り開始

私の絵を描く速度は、かなりゆっくりです。
ゆっくりでも進めてけば完成します(^^ゞ


生絹を木枠に貼って、油抜き、ドーサ引きもおわり、やっと描くことができるようになりました。

木枠にぴったりはまる発泡スチロールの板があるので(前の持ち主が自分で作って
これももらいうけたのです)、これにカレンダーからとった「班猫」のコピーをはりつけ
ました。
絵が透けて見えます。

「班猫」のコピーを下に置く




これを元に上から墨でうつしていきます。これが透き写し。
筆で墨線を描いて、墨でぼかしもいれました。
墨は硯(すずり)ですったものを使っています。
この時、墨が絹ににじむようならドーサ引きが不足してるので、ドーサを塗ります。

この硯で墨をする、とうこと好きです。
すりたての墨の香りはいいものですし、なんだか気持が落ちつきます。

こちらが透き写しがおわったところ。

透き写しがおわったところ



この上から水で溶いた胡粉を塗ります。
(胡粉は乳鉢ですってから、液状した膠をまぜて団子状にして練ります。
この胡粉団子を乳鉢にたたきつけると簡単。100回くらいたたきつけるといい具合に
練られた状態になります。手の脂や汚れをとる意味で、この団子をお湯に1分ほど
つけます。
お皿に胡粉団子をのばして保存しておきます。時間がたつと堅く固まるけれどこれを
水でといて使います。)

見た目牛乳のように、かなり薄く溶いた胡粉を乾いては塗り、乾いては塗りを繰り返し6回くらい塗りました。
今後色を塗っていくときの目安となる墨の線、墨のぼかしがかろうじて見える程度に
塗ることでしょうか・・・。
塗りすぎるとせっかくの墨描きが見えなくなってしまうので。
胡粉を塗り終わったところです。


胡粉塗りがおわったところ



これがおわったらやっと色を塗ります。

いきなり岩絵の具は塗れない、くっつかないので最初は水干を使います。
まずは水干(すいひ)の黄土と黄色を、胡粉で溶いたものを下地にしようと全体に塗りました。
それから胡粉の白で猫の白い毛の部分を描き起こしてみました。


水干をぬり、胡粉で描き起こす


ようやく「絵」らしくなってきました。

絹に描くのも、紙に描くのも基本は同じだそうですが、なんだかとても緊張します。
絹を傷つけたらアウトですし。
そうそう、紙に絵を描くときは時間がないのでドライヤーの温風を使って乾かすことが多いのですが、絹の場合はドライヤー厳禁。
絹が変に縮んでしまうそうです。

一度塗るとなかなか乾かないし絹はやっかいだなと思ったのですが、先生からいいやり方を一つ教えていただきました。
強制的な乾燥はやらないのが一番いいけれど、どうしても急ぐときはドライヤーの
「冷風」を使う乾かし方です。
「冷風」で乾くのか?と思ったけれど意外にも乾きます。
もちろん風は絹から、かなり離して一点に集中しないようにします。

紙に色を塗るよりも、絹の方が筆、刷毛のすべりがいいような感じがします。


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2008年04月21日

「交差点の風景 六本木・芋洗坂にて」

「交差点の風景 六本木・芋洗坂にて」

昔描いた絵です。
今回、人にもらっていただけることになったので押してなかった落款を押してサインを
入れました。

こうしておかないと一人前の「絵」として見ていただけないようですので、なんとか
カッコだけ整えました。
出来の悪い娘だけど、もらってくれる方がいてよかったねー、というまるで母親みたいな気分です。
母として、やはりきちんと「嫁入り支度」はしてやりたいと思いました。


サイズはF8 (45 X 38センチ)
使用画材:和紙、膠(にかわ)、水干(すいひ)、岩絵の具

東京六本木に実際に今でもある風景を描いた物です。
中央のビルの形、見え方がとても興味を引いて描いてみたくなったのです。
こちらがほぼ同じ位置から見た、現在の風景です。


2008年4月の六本木・芋洗坂を下ったあたりの風景


この絵を描いたときは、中心のビルの左側はこれからビル工事が始まるところでした。

六本木に実際に「芋洗坂」という坂道があります。
しかし、いま手持ちの地図をみるとこの名前がない。あれ?
東京メトロ、日比谷線六本木駅から麻布十番に向かって伸びている坂道です。

今はもうありませんが、日比谷線六本木駅のそばに細長い小さな公園「六本木公園」がありました。
ここを通り抜けて階段を下りると坂道(これは芋洗坂とはまた別)があり、そのまま進むと芋洗坂と合流して麻布十番に着きました。
今でこそ地下鉄駅がありますが、ちょっと前まで麻生十番は最寄り駅がない陸の孤島
のような場所でした。
六本木から麻布十番へ向かう路は私のお気に入りのお散歩コースでした。
今ではすっかり様変わりしてしまい、散歩することも無くなってしまいましたが・・・。

2年前にグループ展があったとき、この絵を出すことになり額を画材屋のご主人に
お任せして、選んでいただきました。
木の感触が柔らかで優しい感じがする額を選んでいただけてうれしかったです。

「交差点の風景 六本木・芋洗坂にて」額入り


よく見ると四隅に葉と花の文様がさりげなく入っていてかわいい額です。
そのご主人は、いろんな展覧会への作品搬入もしてくださっていたので私だけでなく、今行っている日本画教室の皆さん、とても頼りにしていた方でした。
去年ガンの手術をされたものの、惜しくも今年の2月に亡くなられました。


今回、落款の押し方の作法を全然知らないので教室の先生に教えていただきました。
落款は絵の「裏」にする物だそうです。
絵の表面を見たとき、一番手前、人に見せたい部分が「表」。
影になっているのが「裏」。
この絵の場合、人に見せたいのは中央のビルであって「裏」は横にいる女性の後ろ
になるので、その右下に押すことになりました。

色も朱色の印泥(いんでい)を使うのが普通・・・とおもったら、こだわること無いんだとか。
絵に合わせて、印泥で押した後、気に入った色の岩絵の具を振りかけて付けても
よいようです。
今回は女性の服が赤なので、青系の岩絵の具を振りました。
この一連の作業、全部先生にやっていただいて私は横で見てるだけでしたが(^^ゞ
しっかり見ておきました。


posted by みどり at 10:39| Comment(0) | みどり画廊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月17日

初めて落款を作る

緑の落款 第1号



日本画を描き出してからそろそろ確か10年くらいになるのですが、私はいままで
描いた絵に、落款(らっかん)はおろか自分のサインさえ入れていませんでした。
落款・・・日本画の隅っこに押されている四角いハンコです。
画家のサイン代わりになるものです。

絵を描いても教室の先生と、同じ教室の生徒さん達に見せるだけだったので落款や
サインのことあまり重要視して無かった気がします。
そもそも私は一度絵を描きあげるとそれを観るのがイヤで、飾ることをせずいつもしまい込んでいました。

個展をやるわけでもないし、グループ展は2年前にやったのが初めて。
この時に絵を観てくれた方の一人(私の職場の元上司)が「あの絵くれよ」と、
言っていたのですが、「売ってくれ」ではなく「くれ」だったので無視してました。
額代ぐらい払ってほしいわ・・・(T.T)・・・安くないんですから・・・。

最近になって、しまってるものもったいないし、じゃまだし、ほしいと言ってくださる方が
いるなら差し上げようと寛容な気持になってきました。
改めて先方に問い合わせてみると、もらってくださるとのこと(=^0^=)
しかし人にお渡しする段階になって、落款もサインも入れてない絵はかっこが悪いと
やっと自覚しました。

細々とはいえ、日本画を描いているなら落款は作らなきゃなあ・・・とは以前から
思ってはいたのです。
そのうち作ろうと、だいぶ前に落款用の石と彫刻刀を買っておいたのですがやっと作ることにしました。
画材店に行くと、石や彫刻刀がセットになっている物もあります。
石も安いです。一本100円から高くても数百円です。
初心者向けのマニュアルの小冊子も数百円で売ってたので購入。
これを参照しながら作ることにしました。

<その1>
石の彫る面の大きさは約17ミリのものを用意しました。
サンドペーパー(耐水ペーパーともいうのは最近知りました)も2種用意。
荒い400番と、細かい800番。
近所の金物店でB5サイズくらいのもの一枚約100円でした。
これで、石の彫る面を平に磨きます。
買ってきたばかりでも、けっこう平みたいだけど・・・。

<その2>
落款のデザイン。
「みどり」と彫りたかったのですが、四角のワクの中にひらがな三文字がとうにもうまく
配分できない。
結局「緑」の一字で彫ることにしました。「緑」は私の本名なのですが漢字一字の名は好きじゃないのです、もともと。
字の形はマニュアル本に載っていた旧字体を使うことにしました。

<その3>
字を写す。
下書きをB4の濃くて柔らかい鉛筆トレーシングペーパーで写したら、描いた面を
石の彫る面に当てて、トレーシングペーパーを堅い物でこすって転写させる。
字が反転して写されるから、これを彫ることにしました。

<その4>
字を彫り進める。
字の部分を彫る印は「白文」、字の回りを彫る印を「朱文」と言うのだそうです。
今回は簡単な白文で行きます。
石も思ったより柔らかで彫りやすい・・・と、思ってたらなんだか、堅い部分にぶつかりました。彫刻刀ではどうにも彫れない。
仕方ないので、サンドペーパーでこの面を削って平にして改めて彫ることにしましたが
サンドペーパーで削っていくうちに面がガタガタになってしまったようです。
が、今回先方様をお待たせしたくないこともあり、時間もないのでこのまますすめることに。

<その5>
鏡で彫った字を確認。試しに押してみて確認。
不満がないわけではないけれど、とりあえずこれにて完成としました。

冒頭の画像が完成品です。なんとかカッコがつきそうです(^^ゞ

posted by みどり at 07:46| Comment(0) | 日々あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月10日

「班猫」模写その2・「絹」の準備

木枠に絹を貼ったところ


なかなかブログが更新できませんが、制作の方はちょっとずつ進めています。
単なるアマチュアだからまとまった時間がとれません。しかし時間が無いことを理由に何かをやらないというのは、自分でも一番言いたく
ないいい訳です。

絹に絵を描く前に、絹の準備をしました。

<その1>
木枠に絹を貼ります。
当然しわの寄らないようにしてのばして接着剤で貼りますが、一番いいのはフノリ。
昔の人が着物の布を、洗って板にはるいわゆる「洗い張り」用ののりです。
といっても、手元にないから今回使ったのはスーパーでも売っている昔からある
チューブ入りのデンプンのり。
今時は使う人が少ないのか、お店で置いてる数も少ないようです。

スティックのりは不可。
これだとすぐにはがれてしまうからダメです。
スティックのりの接着面は、完全には乾かないんだそうです。だからすぐにぺりっと
はがせるのだとか。
今回は絵を描いているうちに、絹がピンと張りどんどん引っ張られていくので木枠からはがれては困るので不可。

セメダイン、ボンド等も不可。
絵が完成した後、木枠からはがせなくなります。

<その2>
張り終わって、十分乾いてしっかり貼れたら、絹の油抜き。
今回使用したのは「生絹」なので油抜きが必要になります。
(後で書く、すでにドーサ引きしたものもあるらしいですが)

50℃くらい(熱めのお風呂)のお湯を刷毛に含ませて、描く絹の表面を左から
右へなぞります。
これを上から下に向かって順番に。
ようは均一に絹の表面をなぞれと言うことで、こうすることで絹に含まれていた余分
な油分が抜けるのだそうです。

これを終えたらしっかり乾かす。
絹の目がつまってきて、ピンと表面に張りが出てきたのがわかります。

<その3>
下準備の最終段階の「ドーサびき」
油抜きした絹にいきなり絵の具をのせると、にじんでしまうそうなのでドーサを
塗ります。

ドーサ・・・人によって配分は違うと思いますが、今回使ったのはぬるま湯約100ミリリットルに対して、液状にした膠(にかわ)の小さなスプーン(私はコーヒーのお店で
付いてくる小さなプラスチックのスプーンを利用してます)に1杯。
さらにミョウバンを、ほんの少々。
このあたりの量が私もよくわかりませんが、今回は食卓塩の結晶粒ほどの大きさの
ミョウバンを3,4粒入れました。
これらを混ぜ合わせた物がドーサ液。

ちなみに膠ですが、今お店に行くといろいろな種類があります。
棒状になって乾燥した品物、いわゆる「三千本」と言われる品。
粒状の物もあります。
私はいつも三千本を利用しています。
これはポキポキと折ったら、器に入れて水をいれ一晩おきます。
(夏場は冷蔵庫に入れないと、完全に水に溶けてしまうので要注意)

ふやけた膠


そうするとゼリー状にふやけるので、ふやけた物を適当な容器(化粧瓶とかジャムの
空き瓶とか)に入れて、湯煎にかけると容器の中でとろけてきます。
これを利用します。
(棒状、粒状の膠を直接煮溶かして使うという方もいますが、私はご紹介した方法が好きです)
冷えると固まるけれど、使うとき湯煎にかければOK。
冷蔵庫に入れれば一週間ほどは持ちます。
傷むと、においが悪くなり接着力が無くなるから使用不可。

以上の手間をかけなくても、すでに液状になって防腐剤入りで売られている物もあります。

話を少し戻して、ドーサ引きの話。
ドーサを幅の広い刷毛を使って塗りますが、左から右へ(もちろん逆でもいいけど)
刷毛を動かし、上から下に向かって順番に、そして縫った面が重ならないよう、
そして刷毛を戻す動きをしないようにしていきます。
刷毛を戻す動きをすると、せっかく塗った面からドーサの成分を取ってしまうことに
なるからだとか。

まずは裏の面を一回、一様に塗り終わったら乾かす。
乾いたらまた塗る。乾かす。
計3回。
次は表の面を同じように一回塗って、乾かし、また塗って乾かす。
計2回。

完全に乾いたらこれでやっと絹の準備が完了です。

乾かすのに時間がかかるので、一日仕事とおもった方がいいようです。

今回は「班猫」の模写をするので、絹への下書きも「透き写し」という簡単、安直な
方法で行きますが、そのことについてはまだ次回に書くことにします。


posted by みどり at 11:33| Comment(0) | 絹に絵を描く 超初心者編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする