ゆっくりでも進めてけば完成します(^^ゞ
生絹を木枠に貼って、油抜き、ドーサ引きもおわり、やっと描くことができるようになりました。
木枠にぴったりはまる発泡スチロールの板があるので(前の持ち主が自分で作って
これももらいうけたのです)、これにカレンダーからとった「班猫」のコピーをはりつけ
ました。
絵が透けて見えます。

これを元に上から墨でうつしていきます。これが透き写し。
筆で墨線を描いて、墨でぼかしもいれました。
墨は硯(すずり)ですったものを使っています。
この時、墨が絹ににじむようならドーサ引きが不足してるので、ドーサを塗ります。
この硯で墨をする、とうこと好きです。
すりたての墨の香りはいいものですし、なんだか気持が落ちつきます。
こちらが透き写しがおわったところ。

この上から水で溶いた胡粉を塗ります。
(胡粉は乳鉢ですってから、液状した膠をまぜて団子状にして練ります。
この胡粉団子を乳鉢にたたきつけると簡単。100回くらいたたきつけるといい具合に
練られた状態になります。手の脂や汚れをとる意味で、この団子をお湯に1分ほど
つけます。
お皿に胡粉団子をのばして保存しておきます。時間がたつと堅く固まるけれどこれを
水でといて使います。)
見た目牛乳のように、かなり薄く溶いた胡粉を乾いては塗り、乾いては塗りを繰り返し6回くらい塗りました。
今後色を塗っていくときの目安となる墨の線、墨のぼかしがかろうじて見える程度に
塗ることでしょうか・・・。
塗りすぎるとせっかくの墨描きが見えなくなってしまうので。
胡粉を塗り終わったところです。

これがおわったらやっと色を塗ります。
いきなり岩絵の具は塗れない、くっつかないので最初は水干を使います。
まずは水干(すいひ)の黄土と黄色を、胡粉で溶いたものを下地にしようと全体に塗りました。
それから胡粉の白で猫の白い毛の部分を描き起こしてみました。

ようやく「絵」らしくなってきました。
絹に描くのも、紙に描くのも基本は同じだそうですが、なんだかとても緊張します。
絹を傷つけたらアウトですし。
そうそう、紙に絵を描くときは時間がないのでドライヤーの温風を使って乾かすことが多いのですが、絹の場合はドライヤー厳禁。
絹が変に縮んでしまうそうです。
一度塗るとなかなか乾かないし絹はやっかいだなと思ったのですが、先生からいいやり方を一つ教えていただきました。
強制的な乾燥はやらないのが一番いいけれど、どうしても急ぐときはドライヤーの
「冷風」を使う乾かし方です。
「冷風」で乾くのか?と思ったけれど意外にも乾きます。
もちろん風は絹から、かなり離して一点に集中しないようにします。
紙に色を塗るよりも、絹の方が筆、刷毛のすべりがいいような感じがします。